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紫の水晶宮(Я18)

つれづれなるまゝに日ぐらし硯(PC)に向ひて心に移り行くよしなしごと(妄想)を、そこはかとなく(だらだらと)書きつくれば、怪しうこそ物狂ほしけれ(私の脳みそはもうだめだ・・・)

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だいすき⑧

シズル「それで最初に発症したんは誰なん?」
ナツキ「ハルカお姉さまが。それで舞衣が止めようと近づいて・・・」
シズル「ハルカさん、舞衣さん、ナツキの順に発症したんやね。という事は・・・残念どすなぁ」
ナツキ「何がですか?」
シズル「いいえ、なんでもありまへん。そしたら、舞衣さんはもうすぐ目ぇ覚ますやろな」
舞衣「・・・私の名前はリリーヌ・リリーヌ・・・PoppinS星から来ました・・・」
ナツキ「一体、どんなやつが憑依してるんだ?宇宙人か?」
シズル「なんやろなぁ?ナカノヒトが、どうかしてるんだけは確かやな」
舞衣「西のアサノマスミって・・・あっちが本家みたいに・・・金賞受賞したからって―はっ!!」
ナツキ「舞衣、目、覚めたのか?」
舞衣「ナツキ・・・ここは?」
ナツキ「保健室だ。シズルお姉さまが助けてくれたんだ」
舞衣「そう・・・。でも、原因が分からないんだったら・・・対処法もわからないんじゃ・・・」
ナツキ「そうだ!薬って一体何だったんですか?」
シズル「舞衣さんは知ってはるんやない?うちがしたんは、ジパングに地球時代から続く伝統的な民間療法なんやけどな―」
舞衣「・・・すごく・・・悪い予感がするんですけど・・・」
シズル「うふふ。それが、あたってるかどうかは―」
ナツキ/舞衣「どうかは?」
シズル「公式HPをご確認ください♪」
ナツキ/舞衣「出た!便利な言葉だ!!」

次回 ひぐらしの喘ぐ頃に 葱挿し編 リテイク―後編― につづく


(やっぱ、置いとく訳にいなかいよね・・・)

「―あれ?」

誰もいないと思っていた教室に、珍しい人物がいて舞衣は二重に驚いた。

成績が良くて、運動もできて―
でも、授業をサボることが多くて、クラスの催しには参加しない。
そんな分かり難いクラスの問題児―
玖我なつき。

席替えという心躍るイベントに参加しないなつきの席は、担任である杉浦碧によって窓側の一番後ろとされていた。
そんななつきのお世話係りとして、舞衣の席はその前と決まっている。
もっとも―
なつきのことを大義名分にして、HiME関係者を一箇所に纏めておきたいだけだと舞衣は思っているのだが。

前の入り口からは遠いその席に、頬杖をつき俯き加減に座るなつきの表情は、舞衣からは見えなかった。
一体、何をしているのだろう―

「なつき?」
「―あぁ、舞衣」

声を掛けると、夕日に染まる髪を払いながら、なつきは舞衣に目を向けた。
なつきはすぐにネイビーブルーのゲーム機を操作して、二つ折りのそれをパタリと閉じた。
万が一なつきが泣いていたりしたらどうしようと思っていた舞衣は、やはり有り得ないかと安堵しつつ、机の間を縫いながら会話を交わす。

「どうしたの?たそがれちゃって」
「別にたそがれてなんかないぞ」
「帰らないの?」
「そうだな。そろそろ帰ろうかな―」

そう言いながら携帯電話をちらりと見て時間を確認したが、なつきは席を立とうとせずに、窓の外に視線を向けた。

「どーしたのよ。静留さんとけんかでもした?」
「してない」
「じゃ、何でそんなに帰りたくなさそうなのよ。言ってみ?お姉さん相談に乗るよ!」

自分の席に後ろ向きに座り、舞衣はなつきに向かう。

「おい、私の方が年上だぞ」
「細かいこと気にしてると、白髪になっちゃうわよ?」
「はぁ・・・」

あくまでも軽いノリの舞衣にあきれながらも、なつきは机の上に置いていた缶コーヒーをずらして、舞衣のスペースを作った。

「で?どうしたのよ?」
「静留が―」
「やっぱり静留さんのことじゃない」
「・・・・・・お前、人の話聞く気あるのか?」
「あるある。それで?」
「私より先に家に帰ってないといけないって思ってるみたいで。火曜は、あいつ授業が4限まである日だから―」
「それで、時間潰してた―と?」
「あぁ。あいつは、いつも私の為にって―」
「重、い?」
「いや。ただ、そういう風に自分のことをないがしろにしていると、いつかまたキツくなるだろうと思って―」
「そっか―」

以前なら理解できなかったかもしれないが、自分を犠牲にすることと、人を大切に思うことは違うのだと弟の巧海が教えてくれた。
そのことをなつきは分かってて、静留の為にこんなことをしているのだ。
それで先日、誘っても来ないだろうと思った『罪深きスィーツの会』に参加すると言い出したのか。
人は変われば変わるもんだと、舞衣は思った。

「だから、もっと自分の事に時間を使えばいいのに。あいつに言っても『うちが、そうしたいからしとるんどす』とか言って、聞かないから。実力行使だ」

実体験から言うと、千尋の谷に突き落とされるくらいのことがない限り理解はできない訳だが―
静留にそれを理解させるようなこととなると、なつきの存在を奪うくらいのことをしなければならない。
いくらなんでもそれはシャレにならないので、舞衣はちょっとした助力を申し出た。
ついでに、ちっとも部活動に参加しない“副部長”に部長としてちくりと言ってやった。

「言ってくれれば、寮で時間つぶしてくれても良かったのに。てか、だったら部活に来なさいよ。一石二鳥じゃない?」
「部活?あれは、そもそも名前を貸してるだけで―出る義理はないな。宿題やってたし」
「宿題?どこにあんのよそれは!誰も彼もなんのかんのと理由をつけて・・・」
「もう終わった」
「はぁぁ?嘘でしょ?」
「いや、終わらせた。持って帰ってまでやるのは面倒だろ?持って来るのも面倒だし。でも、提出しないと碧がうるさいし―それで、補習とかはまっぴらだしな」
「あー、なるほど―って、あんた全部置いて帰ってるの!?」
「そうだが?何か問題でもあるか?」
「あるような、ないような・・・」

勉強道具を置いて帰ることは決して褒められた事とは言えないが、放課後のこの短い時間で済む人に持って帰れと言うのも何か違う気がした。
いずれにせよ、自分のような凡人にはマネのできないことだと、舞衣は心中で嘆息した。

「お前は?」
「部活、誰も来ないから帰ろうと思ったんだけど・・・うっかり、忘れ物しちゃってさ―」

舞衣は、机の中から、刺繍用の枠を嵌めた長細い濃紺の布地を取り出した。
それを見ると、なつきと話すことで忘れていたイライラ感がよみがえってくる。

こんなもの置いて帰ろうと思わせたあいつ。
結局取りに戻った自分。
人に見られたら嫌だとか、持ち物検査に引っかかったら嫌だとか、もしかしたら渡すべき日までに謝ってくれるかもしれないからとか―
自分にたくさん言い訳までして。
そんなこと全部がむかついた。

「それ、授業中もいじってたけど、何だ?」
「刺繍してるんだけど、もう止めちゃおうかな。間に合いそうにもないし―」
「ふぅん。楯の誕生日って、いつなんだ?」
「へ?」
「ん?」

なつきの質問は的を得ているようで、得ていなかった。
それ―竹刀を入れる袋―は、確かに楯へのプレゼントに違いない。
だが、今は2月である。
2月でプレゼントと言えば―
誕生日よりも先に出てくるものがあるだろうに。
天然なのか、とぼけているのか―
舞衣は冗談めかして訊いてみた。

「もしもーし?なつきさーん?今週末乙女にとっての一大イベントがありまーす!それはなーんだ?」
「イベント?」

なつきは、耳の下あたりにおいてあった手を、口元にやって考えている。
まさかと思った展開になって、舞衣は慌てた。

「ば、バレンタインでしょ!あんたまさか知らなかったの?!」
「バレンタインがどうした?」
「あんた、その様子じゃ静留さんに何も用意してないのね?」
「してないが?」
「何なの!そのさも当然って態度は!!」

なつきがあまりに真顔で訊いてくるものだから、舞衣の心情は驚きを通り越して怒りに変わった。
なつきに対してと言うよりは、楯に対して。
所謂、八つ当たりである。

「何で、お前が怒ってるんだ?」
「私は、乙女の味方なの!あっきれた!釣った魚にエサはやらないって訳?」
「そういうことじゃなくて。考えてもみろ―静留も女、私も女。この場合どっちがどっちに渡すんだ?」
「わ、渡し合えばいいんじゃない?」
「すると、ホワイトデーとやらも渡し合うのか?」
「ぁ・・・」

なつきの言い分は正しい。
一方―世間的には女性―が、もう一方―世間的には男性―に、ギフトを贈るのが日本のバレンタインで、その逆がホワイトデーなのだから。
頭では納得しても、ついてしまった勢いを止めることができずに、悪あがきの一言が口をついて出た。

「でも・・・静留さんは絶対何か用意してると思うな」
「んー、それらしい様子はないが・・・。いいじゃないか。当日一緒に出掛けるんだから。それに、もし静留が何かくれたらお返しするさ。手作りクッキー以外のな」

なつきは、さりげなさを装って、コーヒーを口に含んだ。
結論を延ばして散々ノロケておいて、今更照れ隠ししようなど―

(許してあげないんだから!)

「それ、先に言いなさいよ!ラブラブだね♪」
「―らっ☆げふっ!げふっ!」
「照れなくてもいいじゃない」
「照れてない!!ちょっとむせただけだ・・・」

お約束のようになつきがむせる。
顔が赤いのは、呼吸が苦しいだけじゃないのを舞衣は知っている。
こういう所がなつきはかわいい。
だから、つい手を差し延べたくなるんだと思う。

「ほら、ティッシュ―」
「・・・けほっ・・・すまない・・・」

たぶん、静留が惚れたのも、なつきのこういうところなのだろう。
そして、なつきはただ愛されるだけでなく、静留のことを大切に思っている。
隣の芝は青く見えるものだ。
特に自分の所のが枯れかけている時には。
正直、なつきと静留の相思相愛っぷりが羨ましかった。

「はぁ・・・いいなぁ」
「どうした急に」
「あいつさぁ・・・こないだ性懲りもなく合コンに行ってたんだよね・・・それで喧嘩になっちゃって・・・」
「こりない奴だな。それでやる気がなくなったって訳か?」
「私ばっかり好きなのかなって思ったら、バカらしくなっちゃってさ―」

なつきが羨ましいなら、自分もそうなれるように何か行動を起こすべきだ。
舞衣はなつきに、上手くいく秘訣を聞いてみた。

「あのさ、なつきって静留さんとけんかしたことってある?」
「けんかならしたさ」
「本当に?」
「あぁ。一年前―命懸けでな」
「そっ、か―」
「あの時、全て晒し合ったからかな―今は特にしないな。まぁ、あいつが我慢してるだけかもしれんが」

確かに、あの時ほど人のことを真剣に考えたことはなかった。
あんなに悩んで、苦しんで、ぶつかり合った結果―
ようやく分かり合えたのに。
なつきの話を聞いて、その過程を少し忘れかけていた自分に気がついた。

「舞衣?」
「ん?」
「溜め込んで爆発する前に、キチンと向かいあったらどうだ?どうせ、お前のことだから言いたいことだけ言って、話し合ってないんだろ?」
「・・・うん・・・そうだね。そうだよね」

自分のいけないところを反省しながら、竹刀袋に刺繍しかけた言葉を見る。

明鏡止水―

心が曇りのない鏡や、おだやかで静止した水面のような落ち着いた状態であれば、相手の隙がこちらの心に映るようにわかるものであるという意味らしい。
剣道をやるにあたって大事な言葉だと楯が言っていたのだ。
当人にもその心を持って欲しいものだが、その前に―
波の立った心には、相手の気持ちは映らない。
今度は、もっと穏やかな心で、向き合ってみよう。

(うじうじしてても、始まらないしね―)

「私も剣道習おうかなぁ。それで、あいつと真剣勝負するの」
「ふっ―やめとけ。ケガするぞ」
「心配してくれんの?」
「あぁ。楯のな」
「ひっど~い。何それ」
「お前と戦うと、燃やされる」
「―って、はいいぃ?!」
「ふふっ―じゃぁ、私は帰るから」
「ちょっと、待って!私も帰る」

なつきは軽やかに笑うと、鞄にゲーム機を仕舞い、立ち上がった。
舞衣は、慌てて布地を鞄に入れると、鞄をいつものように肩に掛けて颯爽と歩く背中を追いかける。

心はすっかり晴れていた。
何でも話せる友達がいてよかったと舞衣は思った。
その気持ちを、ちゃんと伝えておかないと―
恋愛も、友情も、たぶんそれは同じだ。

「なつき?」
「ん?早くしないと置いてくぞ?」
「私、あんたのこと大好きだよ!」
「・・・お前・・・悪いものでも拾って食ったのか?」
「ちょっと!人の好意は素直に受け取りなさいよね!」
「押し付けがましいな。そういうの有難迷惑って言うんだぞ?」
「またまた照れちゃって!」
「照れてない!!」
「はいはい。じゃ、そういうことにしときましょうか―」

祭の最中―
二人で語り合った夢のような―でも、それが通常の―高校生活。
いろいろ上手くいかないことも含めて、今、確かにここにある。
舞衣は、それを大事に仕舞う様に、教室のドアを閉めた。
  1. 2008/02/03(日) 23:52:30|
  2. だいすき(舞-HiME SS)
  3. | トラックバック:0
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紫の水晶宮

ここは舞-(乙)HiMEの静留(シズル)・なつき(ナツキ)・奈緒(ナオ)への愛をこじらせるファンサイトです。版権元とは一切関係御座いません。勝手ながらR18とさせて頂いておりますので、18歳以上の分別のある大きなお友達だけ遊びにいらしてください。百合の花が仰山咲いておりますので、閲覧は自己責任でお願いします。 当サイトの全ての画像及び文章等の無断転載・引用はご遠慮下さい。

プロフィール

長澤 侑

Author:長澤 侑
性別:ネコ
属性:ヘタレな王子
特徴:ビタミンShizuru分が足りなく
    なるとヘタレる
持病:静留病
    (英名:シズル・シンドローム)
尊敬する人:
ヘタレの星玖我なつき
ヘタレ学園長ナツキ・クルーガー

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