う〜〜ん。ぬるいオチになってしまいましたが、思いついたので晒します。子供が出てくるのでご注意あれ。
自分にはギャグは無理かもと思った一作。なら、シリアスなら書けるかと言われれば、また別問題だったり。
こういう場合は一発ですべてを台無しにする魔法の言葉を唱えましょう。
「堪忍な!」
ついでなんで正しい歌詞を載せておきます。
子供の頃に間違って覚えて、ずっと後になって恥をかいたりしたことはありませんか?
私は、この歌を「仕方がないから」だと信じて歌ってました。
タイトルが『やぎさんゆうびん』というのも、これ書く為に調べて初めて知りました・・・
白やぎさんから お手紙ついた
黒やぎさんたら 読まずに食べた
しかたがないので お手紙かいた
さっきの手紙の ご用事なぁに
黒やぎさんから お手紙ついた
白やぎさんたら 読まずに食べた
しかたがないので お手紙かいた
さっきの手紙の ご用事なぁに
ある日の夜―
夕食後、なつきが騒ぐ子供たちを風呂に入れ、その隙に静留が後片付けをするというちびっ子怪獣達との
戦いが繰り広げられていた。
風呂から上がったチビたちをなつきと静留2人掛かりで世話をして、それが一段落したところで静留は一
人で風呂を浴びに行く―
玖我・藤乃家のいつもの光景。
風呂から上がった静留は、脱衣所でなつきと子供たちが作り出すリビングからの喧騒に耳を傾けていた。
「お母さん、あんな今日な幼稚園でな、お歌習ろうてん」
「そうか、どんな歌だ?」
「やぎさんが手紙出して、食べる歌」
「ああ、それなら母さんも知ってるぞ!」
「なら、一緒に歌って!!」
「よし!白やぎさんから―♪」
3人の楽しげな歌声に、静留の口元が緩む―
(あぁ、幸せやわぁ―って、えっ?)
あまりのことに綻んでいた口元が一瞬にして固まった。
身支度を整えた静留がリビングに姿を見せると、子供達がわぁーっと駆け寄ってきた。
「お母はん、あんな今日幼稚園でお歌習ろうてん。そいでな、今な、お母さんと一緒にな歌っとってん」
「聞こえてましたえ。2人とも上手やったなぁ」
「ほんとう?」
「ええ、ほんまに」
2人は”なでなでしてー”と叫ぶと、静留に抱きついてきた。
静留はチビ達を抱きしめて頭を撫でながら、愛おしそうに頬ずりすると、
「さ、もう寝よし!」
背中をぽんっと叩いて促した。
静留が子供たちを寝かしつけてリビングに戻ると、なつきはソファで茶などを啜りながら夕刊を読んでいた。
「なつき―」
「んー?なんだ?」
新聞から目も上げずになつきが応える。
静留は、なつきの横に腰を下ろすと幾分改まった口調で切り出した―
「あんな、さっきの歌なんやけど―」
「あぁ、2人とも歌が上手いな」
「ええ、2人の歌は良かったんやけどな―」
「ん?それは、私の歌がひどいってことか?」
なつきが不機嫌そうに応える。
「そういうことやのうて―もう、なつきこっち見て」
ソファをぽんぽんと叩く静留もまた不機嫌だった。
「何なんだ、新聞くらいゆっくり―」
バサッと荒々しく新聞をテーブルに放りながら、なつきが静留に向き直る。
(―って、静留が怒ってる!!怖い・・・非常に怖い・・・)
静留の目は完全に据わっていた―
それを見たなつきの表情は、一瞬の内に引きつったものになった。
「なつき―」
「・・・はい」
「あんな―」
(怒られる!確実に怒られる!!うぅ・・・新聞なんて後でいくらでも・・・バカ、バカ、私のバカ!!)
なつきは、すぐさま自分の態度を詫びようと心に決めた。
なにしろ怒った静留は最強で最悪なのだ・・・
なつきが「静留!すまなかった!!」と言おうとした矢先―静留が思わぬ一言を放った。
「歌詞が間違おとります」
「は?」
「せやから、さっきなつきが歌おたんは歌詞が間違おとります」
「そ、そんなことはない!私は幼稚園で習った通りに―」
「せやかて、噛まずに食べたらのどに詰まりますよって」
よう考えてみ―と、静留はにこりともせずに言った。
「うっ―」
(確かに・・・間違ってる気がしてきたが・・・でも、信じてたのに。ずっと信じてたのに・・・)
「なつき、幼稚園ちゃんと行きよったん?」
「も、もちろんだ!」
「さぼってばっかりおったんやないの?」
「は、はは―昔のことは良く憶えてないな・・・」
事故の後遺症かな?―と、なつきは苦しい言い訳を試みたが、どう考えても嘘であることは明白だった。
「とにかく、今後なつきは子供たちの前で歌うの禁止な。子供に悪影響やわ。
親が幼稚園行きよらんかったんもバレたらあかんし―ぶつぶつ・・・」
すっかり教育ママと化した静留によって、なつきの団欒は奪われたのだった―
- 2008/05/10(土) 19:02:28|
- 元拍手お礼SS
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