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紫の水晶宮(Я18)

つれづれなるまゝに日ぐらし硯(PC)に向ひて心に移り行くよしなしごと(妄想)を、そこはかとなく(だらだらと)書きつくれば、怪しうこそ物狂ほしけれ(私の脳みそはもうだめだ・・・)

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あい①

こんな舞-HiMEは嫌イヤだ
其ノ壱『もしもボーダーがストライプだったら』



静留の秘めた想い―
それは、思わぬ形でなつきの知るところとなり、伸ばした指先はなつきの悲鳴によって拒絶されるのであった。
一縷の希望が切れ、静留の蒼く褪めた頬を伝う―

静留「こんな邪な恋、受け入れられる子ぉやない。わかってたのに・・・」

月を冴々と照らしている澄んだ風が、静留の理性を拭き散らしていく―
静留は、蛇のようにすぅっと冷めた目線を、菊川雪之に送った。

静留「菊川さん・・・ヨコシマやないなら、受け入れられる―そう思うたはります?」

だが、静留のその眼は問うてはいなかった。

静留「ええ、うちもそう思いますわ―」

静留は、異質な衝撃をもって虚空を割くと、一枚のハンカチを取り出し―
そのハンカチを、優雅な所作で広げ―

静留「ここにヨコシマのハンカチがあります。それを障子の向こうでちょめちょめしよるうちに、ほら、タテシマのハンカチに変わってしまうんどす」

固唾を飲む雪之に向かってぱんっと張って見せた。

つづく

心の真ん中の気持ちは恥ずかしさに
隠されて強がりを言ってしまう

ほんの一言だけで解るのに
胸の奥を覗き込んでは ため息をつくほど
僕は不器用だけど

アツミサオリ『あい』より




「静留、準備できたか―」

開いているドアからひょっこり覘いたなつきの顔は―

「って、おまっ―ひ、ぐっ!」

自分の発した声を飲み込んで、一瞬にして朱く染まった。
そして、さっと消え、続いて激しく咳き込む音―
どうやら、なつきは驚きのあまりむせてしまったらしい。

“この穿き方、人に見られた時に難有りどすなぁ―”

静留は、詰めていた息をほうっと吐き出すと、天井に向けていた脚をやや強引にジーンズの中に収め、急いでベットを降りた。

「ええ。たった、今 」




ジーンズ―

それまでの人生にはなかったそれに、静留はまだ慣れていない。
なつきと付き合うようになってバイクに乗る機会が増えていた静留の為に、なつきが用立てたそれは、丈夫であることを旨とするだけあって布地は堅く、穿きづらい。
そして―
あろうことか脱がしにくいと言うデメリットまである。

“まぁ、鉄壁の要塞を侵す瞬間もまた趣のあるもんやけど―”

静留は、不埒な考えを涼やかな貌に隠し、壁に背を預けてうずくまるなつきに声を掛けた。

「なつき、大丈夫どすか?」
「げほっ、げほっ・・・ばかっ!着替えるんだったら、ドアを締めて―」

まるで昨日の―
いや、これまでにしてきた<姫事>ことなどありもしなかったかのように、照れ隠しに憤慨してみせる彼女。
そんな羞恥の涙が浮かんだ瞳で睨んでも、怖いどころか、かわいいとさえ思ってしまうことに気づいているのだろうか。

「堪忍。テレビの音、聞いてたんよ。最近は急に雨が降るさかいにな―」

くすりと笑うと、静留は、努めてなんでもないことのように言った。

そのテレビと言えば、平和を祈念する各地の催しを伝えていて、天気の話題をする気配はまるでないのだが―
静留は、ただ、その日がその日であることを表すニュースを聞いていたかっただけだ。


8月15日―

『明日、母さんのところに行こうと思うんだが―』

『お前も一緒に来てくれないか?』

生まれた日になつきが母の眠る場所に行くことは不思議ではない。
ただ、祭が終わり、HiMEでなくなってから一度も行っていないあの場所に、なつきは静留を気遣い誘うことはなかったのに―
なのに、なぜ今日は―

「おいっ、静留っ!」
「えっ―ぁ・・・」

ふと見た夏の陽の白さと、その中に溶ける蝉の音が、昨日湧いた不安の蟲をじわりと疼かせたようだ。
むぅ、と子供のように膨れるなつきの顔に、考えても栓ないことだと自分に言い聞かせ、静留は天気の話に意識を戻した。

「今日も、暑ぅなりそうどすな」
「そうだっ!だから、長袖着ろよ―って、言いに来たんだった」

なのに何故下着でいるのか、だいたいそんな穿き方をしなくても―
と、ぶつぶつ言いながら、なつきは手にしていたものを静留に押し付けた。

「ん。これを着て行け」

これはこの夏新作のジップアップパーカーで、スポーツブランドから出ているから通気性と即乾性に優れ、かつ軽量な生地が動きを阻害することなく―
と、いかにそれが機能的な代物かを語りながらなつきは玄関へと向かっていった。

袖を通すと、同じ洗剤を使っているのに、なつきのにおいがして―
嬉しいのと同時にふとこんなことは初めてだなと思った。

なつきは優しい。
でも、こんな形の気遣いをする娘だっただろうか―

「お前、それ―」

靴を履きながら、なつきはちらりと静留を見て―

「い、いや、なんでもない」

何か言いかけて、ふいっと目をそらした。

やはり、何か気を遣っているのではないか―

「じゃ、行こうか」

そんな静留の戸惑いに背を向けて、なつきは玄関の扉を開けた―




  1. 2010/08/15(日) 02:31:48|
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紫の水晶宮

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Author:長澤 侑
性別:ネコ
属性:ヘタレな王子
特徴:ビタミンShizuru分が足りなく
    なるとヘタレる
持病:静留病
    (英名:シズル・シンドローム)
尊敬する人:
ヘタレの星玖我なつき
ヘタレ学園長ナツキ・クルーガー

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