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紫の水晶宮(Я18)

つれづれなるまゝに日ぐらし硯(PC)に向ひて心に移り行くよしなしごと(妄想)を、そこはかとなく(だらだらと)書きつくれば、怪しうこそ物狂ほしけれ(私の脳みそはもうだめだ・・・)

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だいすき⑤

ハルカ「オイタしちゃダメですよ?刺しますからね?内臓(ハラワタ)をぶちまけろぉ~!!」
舞衣「・・・ねぇ・・・ハルカお姉さまいつにもまして様子が変じゃない?ナツキ、どしたの?」
ナツキ「・・・あれは、もしやオトメ特有の・・・ナカノヒト病では・・・」
舞衣「ナカノヒト病?」
ナツキ「ほんとにお前は何も知らずに入学してきたんだな。いいか?ナカノヒト病というのは肉体に過度の負担が掛かった上、集中力が高まり過ぎた時に起こる一種のトランス状態のことだ。突然無意識下の別の人格が体の内側から現れて、本来の人格を乗っ取ってしまうんだ。だから、通称ナカノヒト病と呼ばれている」
舞衣「嘘だッ!!(ハルカお姉さまが?!)」
ナツキ「嘘じゃない。ナノマシンの暴走など色々言われてはいるがまだ原因ははっきりしない上、これは周りにいるオトメにも伝染して・・・それは、外から来るからソトノヒト病と―」
舞衣「嘘だッ!!(と、とにかくハルカお姉さまにトレーニングを止めさせなくちゃ!!)」
ナツキ「舞衣?お前ちょっと様子が変だぞ?!はっ!すでにお前はソトノヒト病に?!だめだ!そっちは高見沢―いや、雛見沢だ!クールになれ ! !(くっ―私まで引きずられて・・・訳のわからないことを・・・ダメだ、舞衣!!ハルカお姉さまに近づくな!!)」
舞衣「はぅ~!!高見沢って言うなー!!(止めないで!ハルカお姉さまを助けなきゃ!!)」

次回 ひぐらしの啼く頃に 葱挿し編につづく(?)
次の日―

「はい。お弁当―」
「ありがとう」

一緒に暮らし始めてから、行われるようになったこと―

学校へ向かうなつきに静留が玄関先でお弁当を手渡して、そして『いってきます』と『いってらっしゃい』をする。
お互いに普段と違う予定がある時は、短く帰りの時刻を確認し合ったりもする大切な時間―
なつきは寝起きが悪く、その上、髪の手入れに時間を掛ける為大抵は慌しく過ぎる時間だった。
それでも、静留にとっては一生訪れるはずがないと思っていた甘い時間。

今日は珍しくなつきが早起きした為にいつもより穏やかに時が流れている。
だったらもう少しだけ微睡んでいたい―
そう、いつもなつきがベットでしているように。

なつきがドアを開けると、朝の光が彼女の輪郭をかたどって跳ねた。
振り返る彼女に半歩だけ近づいて、そう誘いかけてみよう―

「いってきます」
「なつき、忘れ物―」
「ん?何?」

なつきの後ろでぱたりとドアが閉まった―
ドアノブから手を離して、なつきはがさごそと上着のポケットを探ったりしている。

(そないなところにはないのに―)

静留はイタズラに笑うと、その在り処を指で示して優しく告げた。

「いってきますのキ・ス」
「――――!?」

はじめになつきは目を見開いて驚き、それからパーカーの襟元から覗く首から顔まで朱を昇らせて、ついには声をひっくり返らせてわめき散らした。

「―ばっ、バカ!そんなものがあるきゃっ!」
「ほんまにないん?」

なんだったらほっぺでもいいと静留は自分の唇にあった指を滑らせて頬にあて、小首を傾げて上目遣いで微笑んで見せた。
おそらく静留にそんな顔をされて陥落しない人間は後にも先にもなつき一人で―
だからこそ、静留にそんな顔をさせることができる人間もなつき一人であった。

「ないったらない!いってくる!!」
「いってらっしゃい。気ぃつけてなぁ」

そんな静留にとって唯一の人は、悪びれもせずにこにこと微笑んで手を振る静留に、ギロっと一瞥をくれると荒々しくドアを閉めて出て行った。

きっと、ブツブツ言いながら歩いているのだろう。
いつもより高いなつきの足音―
静留はそれを聞いて、相変わらず照れ屋さんやねぇなどと思いながら、戸締まりをして部屋に戻った。

ダイニングテーブルの上にあるなつきが使用した食器を下げて、洗い桶に浸ける。
上から水を流しておいてテーブルに戻ると、今度は自分が使用した食器を下げてその上に重ね、水を止めた―
それから静留はダイニングの椅子に掛けてあったフリースの上着を手に取ると、リビングを通ってベランダへと向かった。

体に染みついているリズムを乱して、ドキドキと鼓動が高鳴っていく。
さっき別れたばかりなのに、もう彼女に会いたかった―

上着に袖を通してガラス戸を開けると、頬に触れた外気がピリピリと痛かった。
冬の凛と張り詰めている空気―
繊細なそれが突如として沸いた低い唸り声に震えた。
ドッと脈打った鼓動が安定すると、建物の陰からゆるりと蒼い鋼鉄の馬が姿を現す。

そのイタリア生まれのじゃじゃ馬を駆る人は、エントランスの終わりで常足(なみあし)を停止させて、僅かな躊躇いの後に振り仰ぐ―
静留が小さく手を振ると、その人は遠くからでは分からない程に軽く頷いた。
そしてすぐさま前方を見て左手をさっと上げると、低い戦慄きを轟かせて駆けていった。

静留はなつきが初めの角を曲がって姿が見えなくなり、遠ざかる爆音がやがて聞こえなくなってから部屋に戻った。

「さ、おかたずげして―うちも行きましょか」

袖をまくって、自分に声をかけると、静留は食器洗いに取り掛かった。
開け放っていた部屋は、なつきを見送っている間に随分と冷えてしまっていた。
静留の体も同じように冷えていて、痺れたように動きが鈍い手を黙々と動かしながら、思考の波に浸る。

今朝はからかってしまったから、手を振り返してはくれないかと思ったけどもなつきはいつもどうりにしてくれた。
これはいつからやるようになったことだろう―考えても思い出せなかった。

なつきへの想いを胸に押し込めていた時には、もしもそれがなつきに受け入れられたならば、沢山の初めてを一杯記憶しようと―そんなことを夢見ていた。
けれども、実際に付き合い始めたら、数えきれないほどの嬉しい初めての事が起こって静留の目論見は見事に外れた。
嬉し過ぎる誤算だった。

たぶん―
言葉にするほどでもない小さな喜びがたくさん集まって一つの大きな幸せになるのだろう。

(今日も、なつきが手ぇ振ってくれた―)

たったそれだけのことで、どんなに引き締めようと思っても、口元が緩んでしまう。

「手ぇ、冷た―」

むずむずして気持ちが悪い口元を何とかしたくて、静留はそう一人ごちて、冷たくなった指先に息を吹きかけた。
けれど―

「お前の手―気持ちいい」

いつの日だったか、なつきにそう言われたことを思い出してしまい、緩んでいる口元を引き締めるには効果がなかった。

(朝から一人でニヤニヤしてもうて―あかんなぁ)

今度は、苦笑しながら食器洗いを再開した。
洗い桶の中で、何でもない日になつきがプレゼントしてくれた揃いのマグカッブが触れ合ってかちゃりと音を立てた。

(なつき―)

そんなことすら嬉しくて、こんな幸せな日々を与えてくれている人の名前を心の中で呼ぶと、冷えた体が少しだけ暖かくなった気がした。
  1. 2007/05/06(日) 22:48:47|
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紫の水晶宮

ここは舞-(乙)HiMEの静留(シズル)・なつき(ナツキ)・奈緒(ナオ)への愛をこじらせるファンサイトです。版権元とは一切関係御座いません。勝手ながらR18とさせて頂いておりますので、18歳以上の分別のある大きなお友達だけ遊びにいらしてください。百合の花が仰山咲いておりますので、閲覧は自己責任でお願いします。 当サイトの全ての画像及び文章等の無断転載・引用はご遠慮下さい。

プロフィール

長澤 侑

Author:長澤 侑
性別:ネコ
属性:ヘタレな王子
特徴:ビタミンShizuru分が足りなく
    なるとヘタレる
持病:静留病
    (英名:シズル・シンドローム)
尊敬する人:
ヘタレの星玖我なつき
ヘタレ学園長ナツキ・クルーガー

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